布団たたきと喜怒哀楽

布団干しには、人生の喜怒哀楽が含まれています。

まずです。
空はどこまでも晴れ渡り、遠くの山の緑も目に鮮やかです。
布団干しに絶好な、こんな素晴らしく天気の良い日は、
心踊る陽気な日に違いありません。

次はです。
布団を干す作業は、一家の主婦が行うのが
まだ一般的であると思われます。その主婦はこう思います。

「なんで私が、家族全員の布団を干さなあかんのやろか。
 旦那はごろごろするだけで、家事の手伝いは全然してくれへんし、
 子供も遊んでばっかりで、皆私のことなんてただのメシタキ女
 としか思ってないんちゃうやろか。」

その主婦は布団を激しくたたき、その怒りをぶつけるでしょう。
まき上がるほこり、にじむ涙。

そして
主婦は、自分の行為にはっとします。
一心不乱に布団をたたくその形相はまさに鬼です。
布団をたたくことで、自分の怒りを発散させるなど寂しすぎます。

「わたし、なにやってるんやろか…。」

主婦は、乱れた髪を撫で付けながら、華やかだった若い頃を思い出し、
現状とのあまりの落差に、哀しみを隠せないでいます。

最後にです。
天気の良い日に干した、ふかふかの布団で寝るのはまさに極楽。
主婦は隣で眠る旦那を見ながら、これが私の幸せなのだと、
思うのでした。

・・・というようなエッセイを、昔読んだことがあります。
 (多少脚色しています)

もはや、誰が書いておられたのかすら覚えていませんが、
布団をたたきながらこのようなことを考えることができる、
そんな感性をもてたらいいなぁ、と、忘れないように記しておきます。

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